虫歯ができるプロセスをおさらいして、虫歯予防につなげよう!
虫歯予防は、ご存知の通り、毎日の歯磨きが大事。
しかし、それだけでは防げないことも。
まずは、虫歯ができてしまうプロセスについて、おさらいしましょう。
虫歯ができるまで
虫歯は、主にミュータンス菌によって引き起こされます。
ミュータンス菌以外にも300種以上の菌が常時口内に生息しているのですが、普段は人体に害を及ぼすことはほとんどありません。
しかし、食事したあとなどで口内に残る食べ物のカスをエサに、こうした菌類が歯垢(プラーク)を作り出します。
日ごろ歯磨きの習慣があれば、この時点で歯垢は掃除されてしまうので問題はないのですが、もし、歯磨きをしなかったらどうなるのでしょうか。
歯垢が作り上げられるまで、おおよそ8~24時間くらいかかるのですが、一度できてしまうと、その後も食事のたびに口内に残る食べカスから主に糖分を栄養にして、どんどん増え続けていくのです。
歯垢は、増え続けるだけでなく、同時に酸を作り出します。
この酸が、歯の表面のエナメル質を溶かしだすことによって、歯は虫歯に変わっていくというわけです。
さて、菌類は歯に穴をあけると、歯の内部に侵入してきます。
歯を少しずつ溶かしながら奥へ奥へと侵入し、やがては神経や歯根部に達していきます。
歯根部にまで菌が達してしまうと、歯の根元に膿が溜まり始め、やがてはあごの骨まで感染してしまいます。
菌があごの骨にまで達した状態を骨髄炎といい、さらに放置すると菌が血管を通って体内に入り込み、他の病気を引き起こすこともあり得るのです。
虫歯一つといえども、早めの治療がいかに大切か、ということですね。
歯石は歯垢が死んで固まったもの
虫歯は歯の表面についた歯垢(プラーク)に棲みつく菌によって引き起こされます。
この歯垢に棲む菌が死んで石灰化したものが、いわゆる歯石と呼ばれるものになります。
歯石は、歯垢がたまりやすい歯と歯の間や表面にこびりつきます。
とても硬いので、通常の歯磨きでは取り除けません。
歯石を放っておくと、歯磨きをしてもこの歯石が邪魔をして歯ブラシが届かないところができてしまい、ますます歯垢が溜まりやすくなります。
歯石を見つけたら、早めに歯科医院でクリーニングを受けるか、定期的に検診を受けるなどして歯石を作らない状態を保つようにしましょう。
唾液は口内を中和して、虫歯を防ぐ作用がある
口内は常に弱酸性です。
しかし、食事をすると菌類が食べカスをエサに酸を作り出すので、通常より酸性が強まってしまいます。
酸性が強まると、歯の表面を覆うエナメル質からカルシウムが溶け出す「脱灰」という状態になります。
しかし、口内にある唾液が口内の酸性度を弱める働きをし、なおかつミネラル分を歯に補って再石灰化をうながす役割を担っているのです。
食事のときは、食べ物をよく噛む、噛み応えのあるものを食べるなどして唾液の分泌を促すことでも、虫歯予防につなげられます。
まとめ
虫歯のプロセスについておさらいしました。
口内にはもともと300種以上の菌が存在しますが、食事をとることにより、口内に残った食べカスをエサに菌が繁殖、歯垢を作り出します。
歯垢では酸が作られるため、歯の表面を溶かし、菌類が歯の内部に侵入してくることにより、人は虫歯になるのです。
虫歯は放置すると菌が体内にまで侵入してくることがあるので、早めの治療が大事です。
また、食事の時によく噛むなどして、自浄作用がある唾液の分泌を促すことも、虫歯予防のひとつとして効果的です。