口腔ケアって何だろう？

口腔ケアとは、口内の状態を良好に保つことで、虫歯や歯周病をはじめとするさまざまな口内トラブルを予防し、それに伴う全身疾患の予防・改善を目的とするケアのことです。 口腔ケアは大きく分けて、2種類あります。  

器質的口腔ケア

  器質的口腔ケアは、お口の中を清潔に保つためのケアのことです。 うがいや歯磨き、入れ歯のお手入れ方法の伝授などを行います。 口の中の汚れは歯ぐきや頬の内側などの粘膜にも付着し、多くの細菌が繁殖しています。 細菌は口内トラブルだけでなく、誤嚥性肺炎などを招く恐れもあるため、しっかりと器質的口腔ケアで清潔に保つことが大切です。  

機能的口腔ケア

  機能的口腔ケアは、食べる・話すなどに使う口周りの筋肉トレーニングやマッサージを行い、口本来が持つ機能の低下を防ぐことが目的です 。器質的口腔ケアと併せて行うことで、口腔機能の維持・向上につながります。  

口腔ケアと歯磨きの違いは？

口腔ケアは歯の有無に関係なく、口全体や入れ歯などを清掃し、口本来の持つ機能低下を予防・向上させるために行います。 飲み込む力や口周りの筋肉マッサージなどを含め、幅広い意味で使われていることが特徴です。 歯磨きは、主に歯や歯ぐきに付いている汚れを落とし、虫歯や歯周病を予防することが大きな目的です。 歯磨き自体に、口腔機能の維持や回復が期待できるわけではありません。  

口腔ケアの目的は？

口腔ケアの目的は、口内を清潔な環境に保てるようにするだけでなく、食べ物を咀嚼するなど口本来の機能を保つことにあります。 口腔ケアの目的は、主に次のような3つがあります。   ● 口腔内を清潔に保つ ● 口腔機能の維持と向上 ● 誤嚥性肺炎などの感染予防   正しい口腔ケアは全身疾患の予防や健康維持にとどまらず、QOL（クオリティオブライフ）の向上にもつながります。  

口内を清潔に保つことはとても大切です

さらに、妊娠中の女性が歯周病にかかっていると、低体重児出産や早産のリスクを高めてしまいます。 口内の炎症物質が歯ぐきから血流にのって子宮に到達すると、子宮が収縮する刺激を受けてしまうことが原因です。 口腔ケアは「単に歯ぐきや歯を守るためのケアではない」といえるのではないでしょうか。 しかし、自宅で丁寧にセルフケアを行っていても、どうしても行き届かない部分がでてしまいます。 口内の一部だけきれいであってもあまり意味はないので、全体的に清潔な状態を保つように心掛ける必要があります。  

口腔ケアには歯科衛生士の存在が欠かせません

歯科衛生士による専門的な口腔ケアは、ただ単に口内の汚れを落とすだけではありません。 食べる楽しみや口本来が持つ機能の向上、誤嚥や窒息の予防につながります。 口腔機能が向上してよく噛めるようになると、脳の血流が増えて脳神経細胞の働きが活発になるので、認知症予防にもなるといわれています。 口本来の機能をしっかりと維持し向上させることは、全身の健康にもつながるのです。 いつまでも健康的な口でいきいきと過ごすために、定期的に歯科医院を受診してプロフェッショナルケアを受けるようにしましょう。 歯周病の改善や予防を専門にしている「歯科衛生士」が、一人ひとりに最適なケア方法を伝授してくれるでしょう。 高齢などで通院が難しい場合は、「訪問歯科」を受けるとよいでしょう。 歯科医師や歯科衛生士が自宅へ訪問してくれるので、自宅で口腔ケアが受けられます。必ず歯科医院へ出向く必要はありません。  

まとめ

口腔ケアは、本人の口内環境に合った方法で行うことが大切です。 一人ひとりのライフスタイルや身体状況に応じた口腔ケアを行うようにしましょう。 口の中の汚れを除去し口内環境を整えることで、コミュニケーションの円滑化やQOLの向上にもつながり、いきいきと過ごすことができるようになるでしょう。 気になることがあれば、近くの歯科医院で歯科衛生士に相談してみましょう。