国民皆歯科検診とは?
ほとんどの方が子どものころに学校で歯科検診を受けたことがあると思いますが、大人になってからも歯科検診を受けている方は少ないのではないでしょうか。
自主的に歯科医院を受診しないかぎり、会社の健康診断などでは「歯科検診」まで受けることは少ないでしょう。
日本政府は、国民の歯の健康寿命を伸ばすことを目的に、歯科検診を義務付ける「国民皆歯科検診」という制度の導入を検討しています。
国民皆歯科検診とは、日本全国民に毎年の歯科検診を義務付けるというものです。
歯科検診を義務化する理由
日本はアメリカやスウェーデンなど他の先進国に比べて歯科検診の受診率がとても低く、80歳以上では平均15本の歯しか残っていないといわれています。
つまり、日本では多くの方が「年を取れば自然と入れ歯になる」というような感覚を持っているということです。
これまでは、1歳半・3歳の乳幼児や中高生のほか、塩酸や硫酸など歯に有害な薬品を扱う職業に就いている人を対象に、歯科検診が義務付けられていました。
しかし、それでは歯科検診の受診率が増えず「痛くなってから歯医者にいく」という方が減らない課題があったのです。
そこで、いつまでも自分の歯でおいしく食事ができるよう、歯の健康を守る歯科検診が義務づけられました。
きちんとメインテナンスをすれば、健康で丈夫な歯を長く残すことができます。
歯科検診を受けるとたくさんのメリットが得られます
会社などで行われる健康診断に対して、気になることがない限り「毎年受けてるし今年はいいか……」と考えている方がいるのではないでしょうか。
義務化された歯科検診についても、「今は痛くないし……」と少し面倒に感じている方がいるかもしれません。
しかし、歯科検診を受けるとたくさんのメリットが得られます。ここでは、歯科検診のメリットを紹介します。
口内トラブルの早期発見・治療
むし歯や歯周病といった口内トラブルは、自覚症状がでてから受診するとすでに進行しているケースがほとんどです。
歯科検診を定期的に受けてトラブルを早期発見ができれば、重症化を防ぐことができ、少ない負担で治療が完了します。
医療費の負担を軽減できる
定期的に歯科検診を受けていると、むし歯や歯周病などのトラブルをいち早く発見できるため、初期段階での素早い対処ができるようになります。
重症化してから治療をはじめると費用も時間もかかるため、結果として医療費のかさんでしまうことが少なくありません。
全身の健康につながる
口内環境を整えることは、全身疾患の予防・改善にもつながります。
口内だけでない全身の健康が維持できていれば、その他の医療費もグッと抑えられるでしょう。
歯科検診は年に1度のため「それほど面倒なものではない」と、気軽に臨めるのではないでしょうか。
歯科検診は歯科衛生士にお任せください
歯科検診や定期健診では、歯科衛生士が中心となって検査を行います。
目に見えたトラブルの対処だけでなく、潜んでいる病気がないかなど細かくチェックします。
歯科医師と連携を取りながら、むし歯や歯周病の治療計画を立てることもあるでしょう。
歯科検診や定期健診では、日ごろから自身で気になっていることや困っていることを話すようにしましょう。
まとめ
歯科医院を避けている方の中には、歯科特有の機械音や、薬品のにおいが苦手だと感じている方も多いでしょう。
しかし、歯科検診を受けておくと、むし歯や歯周病の予防だけでなく、全身疾患の予防・改善につながることもあります。
この機会に歯科検診による「予防歯科」を意識してみてはいかがでしょうか。