これから歯科衛生士になりたいと考えている方や、歯科医院で働いてみたいと考えている方は、具体的にどのような業務内容をこなすのか気になるのではないでしょうか。
また、歯科医院で勤務する職種には大きく分けて、歯科医師・歯科衛生士・歯科助手（受付）があります。

そこで今回は、歯科衛生士・歯科医師・歯科助手の違いについて解説します。

歯科衛生士について

・必要な資格

歯科衛生士は、国家資格である「歯科衛生士免許」を取得していなくてはなりません。
高校を卒業後、歯科衛生士養成機関（専門学校、短期大学、大学）で知識や技術を学び、歯科衛生士国家試験に合格した方だけが、歯科衛生士として働くことができます。
また、歯科衛生士免許以外にも、歯科専門学会が認定する専門・認定歯科衛生士資格なども存在します。
気になる分野の資格を取得することで、歯科衛生士として大きくスキルアップできるでしょう。

・主な業務内容

歯科衛生士の業務は「相対的医療行為」に分類され、患者さまの口の中に手を入れて処置することが許されていますが、原則として歯科医師が監視のもとで業務を遂行する必要があります。
歯科衛生士の主な業務内容は、以下の通りです。
・歯科診療補助
・歯科予防処置
・歯科保険指導

歯科診療補助とは、歯科医師の治療がスムーズに進むよう先回りして準備をしたり、治療のサポートを行います。
歯科予防処置では歯科衛生士が中心となり、虫歯や歯周病予防のために歯石を除去したり、フッ素を塗布したりと、お口の中を清潔に保つための処置を指します。
また、セルフケアの質を向上させるための指導やアドバイス（歯科保険指導）も、歯科衛生士が担当する業務のひとつです。

歯科医師について

・必要な資格

歯科医師は、いうまでもなく国家資格である「歯科医師免許」を取得していなくてはなりません。
高校を卒業後、歯科大学や大学の歯学部で6年間学び、歯科医師国家試験に合格した方だけが、歯科医師として働くことができます。
また、歯科医師国家試験に合格したあとも、1年以上の臨床研修を経る必要があり、その後ようやく正式な歯科医師として勤務できるのです。

・主な業務内容

歯科医師の業務内容は、患者さまの歯治療や口腔内疾患の治療、トラブル予防などを行う「絶対的医療行為」が中心です。
具体的には、次のようなものがあげられます。
・虫歯や歯周病などの治療
・歯周病など歯茎に関する疾患の治療
・入れ歯や詰め物・被せ物の作成
・矯正治療やインプラント治療
・レントゲン撮影
・麻酔のための注射

上記で紹介した内容は一部に過ぎず、医学的に治療が必要であると診断された「疾患の治療」を中心とした業務内容は、歯科医師が担当します。

歯科助手について

・必要な資格

歯科助手は、歯科衛生士や歯科医師のように特別な資格は必要ありません。
歯科衛生士を目指す学生がアルバイトで歯科助手として勤務したり、歯科助手として働いたのちに歯科衛生士を目指しはじめたりする方も大勢います。
また、勤務に必須な資格はありませんが、民間資格である歯科助手の認定資格などを取得しておくと就職で有利になることがあります。
認定資格の勉強をすることで、専門用語への理解も早くなり、勤務開始後も比較的スムーズに業務へ就けるようになるでしょう。

・主な業務内容

歯科助手は、歯科衛生士や歯科医師のように、医療行為を行える資格を持っていないため、患者さまのお口の中に触れることはできません。
歯科助手の主な業務内容は、次のようなものです。

・受付や電話対応などの事務的な業務
・歯科医師や歯科衛生士のサポート業務

事務的な業務には、カルテの管理・整理、患者さまの予約受付・管理、会計、電話対応などがあります。
歯科医院によっては、歯科助手と歯科受付のスタッフを分けていたり、歯科衛生士が受付業務も兼任していたりすることがあります。
また、歯科医師や歯科衛生士のサポート業務には、診療がスムーズに進むよう器具を準備したり、バキュームやライトを調整したりします。

まとめ

歯科医院では、歯科医師をはじめ歯科衛生士や歯科助手など、ときには歯科技工士や受付などのスタッフが携わり、協力しながらチーム医療を提供しています。
また、それぞれの職種を分かりやすくまとめると、歯科医師は主に「治療」を担当し、歯科衛生士は主に「予防」を担当、歯科助手はそれぞれの「サポート」を担当しています。

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